一年中、風は吹いているはず。なのに、春はなぜ風が強いのか?
これ、前から疑問に思っていました。
実際に春の強風で橋が渡れなくなったり、電車で帰れないことがあったからです。
小学校時代から理系に苦しんできた素人が子供にもわかるように調べてみました。
もちろん、私が拾い切れていない複合的な要因はあるでしょう。
「 春はなぜ風が強いのか?」
私なりの結論、気圧の差 にたどりつきました。
天気図

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
実際の天気図です。
めちゃくちゃ風が強くて足場が壊れたり、横なぐりの雨になった地域もあった日。
夕方の全国放送でも流れていたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
天気図をみると太平洋側を中心に低気圧の線が連なっています。
低気圧の下に矢印マークがあるので徐々に移動はしていくものの、朝6時の時点で天気が悪いのが見てとれます。
雨雲レーダー
こちらが同日11時ころの雨雲レーダー。

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
雨雲レーダーで濃い青や黄色になっている地域、主に東日本は全般的にかなり悪天候で大雨が降っている状態です。
風
時系列が前後しますが、こちらは同日10時ころの暴風・強風の全国一覧。

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
ほとんどの地域に注意報が出ていました。長崎や石川、富山は警報で赤くなっているため、かなり強い風が吹いていることがわかります。
地震で地盤が緩んだり、建物が被害に遭っている地域に影響が少ないといいのですが心配ですね。
雨が激しく降っている、関東付近の風向・風速を詳しく追ってみると、

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
風速15〜20m/sのオレンジ色になっている地点が数ヶ所ありました。
気象庁ホームページをみると、
風速15〜20m/s 強い風
人は風に向かって歩けない。
一部の人は転倒する。 引用元:気象庁ホームページ

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
先ほどの雨雲レーダーでも大雨が表示されており、かつ、強い風となると外を歩けない状態だと即座にわかりますね。
なぜこの天気図だと風が吹く?

出典元:気象庁ホームページを加工して作成
最初の天気図に戻ってみます。上半分は高気圧と低気圧でなんかやたらと混雑気味。
偏西風は西から東へ吹くので、それにのって次々と高気圧と低気圧が通過しているのがよくわかります。
また、大陸には高気圧(移動性高気圧)があり、日本列島に向かってくる矢印が記されているため、いずれ天気が回復するはずですね。
天気図と気圧
「なぜ今日の天気図で風が吹くのか?」を探ります。
出典元:気象庁ホームページを加工して作成
気象庁の中にあるこの資料の一番下、気圧の傾きという言葉があります。
気圧の傾きとは気圧の差。天気予報を聞いているとよく出てくる言葉ですね。
登山地図に山の高さを表す等高線があるように、天気図にも等圧線が引かれています。
調べていくと、この「等圧線の幅が狭いほど気圧の傾き」がある。
つまり「気圧の差が大きい」と出てきました。
上の資料から、「気圧の傾きが大きくなること」と「風が強く吹くこと」に関係があるのは明らか。
調べていくとわかりやすいものを見つけました。

出典元:仙台管区気象台より(加工して作成)

出典元:仙台管区気象台より(加工して作成)
・空気を押す力が強いものが高気圧、低いものが低気圧
・高い方(高気圧)から、低い方(低気圧)へ風が吹く
つまり、今日の天気図から読み取れること。
日本列島には低気圧がかかっているため、大陸にある高気圧の影響を受けて風が強く吹いたということでしょうか。
中学理科から考える
調べていくと新たに疑問が浮かびます。中学理科も駆使しつつ考えてみました。
①偏西風は一年中吹いているはず
なのに、なぜ春(秋)は偏西風の影響を受けるのか?
↓
気候に大きく影響を与えるものがない(冬の寒気団や夏の太平洋高気圧など)
↓
そのため高気圧と低気圧が次々に流れこむ
↓
気圧差が起こりやすい
↓
風が吹く
②暖かくなるのと関係ある?
暖かくなる(暖かい空気は上がっていく)
↓
その下に冷たい空気が流れこむ(冷たい空気は下に溜まる)
↓
暖かい空気と冷たい空気に気圧の差が生じる
↓
風が吹く
まとめ:春の風と気圧
「 春はなぜ風が強いのか?」
今回出た結論、気圧の差。
個人的な見解を含みますが、複合的な要因が重なった結果で気圧の差が生じ、それによって風が吹くということでしょうか?
10数年前、電車が停まって帰れなかったあの日。春になるとよく思い出していたこの疑問。
「中学理科を真面目にやっとけばよかった」と思いながらこの結論に達し、あー、スッキリ。
理由がわかると今までと違った視点が生まれ、天気予報を見るのが楽しくなりますね。
くれぐれも春の風には気をつけましょう!
今回の出典元