自然ゆたかな地域に住んでいる特権のひとつ。それは、川や海がきれいなこと。
梅雨が開ければ暑い夏がやってきて、そこへ行く機会がグッと増え。夏の恒例行事、『ガサガサ』の季節がやってきます!
川岸の草むらや磯の海藻をガサガサ揺らしたり、石を裏返したり。水の中に隠れている生きものを網で捕まえる遊び、『ガサガサ』。
今年の夏は、子供さんとの水遊び&夏の自由研究の観察がてら、水辺で生きものを探してみませんか?
今回は、実際に川で生きものを探した様子&水辺の注意点をご紹介します。
場所選び
おそらく、『ガサガサ』に向いているのは中流域あたりの穏やかな川岸。

ですが、私は中流域を選ぶことは少ないかも。その理由は、生きものにとっては栄養分が豊富かもしれませんが、下に行くほど堆積物が多くなるから。
こちら、上流付近でも流れがゆっくりした場所。(箱メガネから撮った写真)

中流でも下流が近い川。やはり、下に行くほど堆積物が多め。

私が行く中流域では水場がないこともあり、できるだけ上流に近い場所。安全を考慮して、川幅が広くない&流れがゆったりとした浅い場所を選びます。

また、顔をつけて魚を捕ることも多いため、水がきれいな上流を好むようになりました。
水辺で遊ぶ
今回は、足の甲が浸かる程度の浅い川。山間部の上流はどっぷり浸かるにはまだ寒く、本格的な夏が来るまでお預け。

使うのは網・バケツ・箱メガネ・アクアシューズ、川の状態をみてライフジャケット。

最初に、草むらからぴょんと来たのはカジカガエル?かな。

水辺にいるのは魚だけではありません。こんな水生昆虫が見られるのも川ならではの魅力。

こちら、見たことありますか?「ハグロトンボ」のオス。全身黒いのはメス。

“ 神様の使い “と言われる、縁起のいいトンボだそうです。知らなかった!
石を裏返す
まず、小さな子供さんと一緒に出来るカンタンな楽しみ方。石をそっーと裏返し。(石は魚のすみかになるよう、元通りにしましょう)

隠れている魚、カニが見つかるかな?

魚、発見!ヨシノボリ。模様で詳しい種別がわかるそうです。

網ですくってみました。

トウヨシノボリ?機会があれば、じっくり調べてみたい。

次の石には、小さなカニ。たまに脱皮したての甲羅がうすーいカニやヤゴが見つかることもあるんです。

石を裏返すたび、カニがいるので捕まえようと思ったものの、

意外とすばしっこい。得意技・はさみ撃ちでも、

逃走中。

やっと捕まえました。サワガニですね。

観察したら早めに自然に戻してあげます。

箱メガネの世界
次は、箱メガネで水の中をのぞいてみましょう。

真ん中あたりに魚がいるの、わかりますか?



「なんかおる!」と思ったら、やたら神妙なカエル。

箱メガネでのぞくとこんな感じ。川の生きものって昆虫と同じですね。擬態しながら進化するのかな?

捕まえようと思ったけど、この後、ぴょんとどこかへ行ってしまいました。

観察用に捕まえた魚たちは弱らないうちに川にリリースします。

次は、少しだけ深さがあるところへ移動。泳いでいる魚を観察。

動きが早いので、さすがにコレは捕まえられない!

箱メガネを使えば、普段見られない姿が見られますね。

水の中の生きものを見つけるのってわくわくしませんか?
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ガサガサ
今度は川岸。草の根元に狙いを定め、

草の根元に網を入れてゆっくりガサガサ。小さなエビがいるはず。

なんかおる!

すくってみては移します。

葉っぱも混じってわかりにくいですが、稚魚やエビ。千と千尋の「かまじい」みたいな幼虫?など。

大雨の影響なのか、何回かやってみたものの少なめ。

流れが穏やかな場所へ。水中の黒い線は稚魚の大群。コレ、意外とすくえません!

川岸ガサガサ。

川へ入らず、ガサガサするならやはりタモ網必須かも。

移してみるとエビと稚魚。

入れものは、海苔の入っていた容器。夏の自由研究なら、やはり四角の観察容器がよさそうですね。

この後、リリースして帰ります。またね!

水辺の注意点

ガサガサを含めて水辺で遊ぶ際、命に関わる道具以外で気をつけていることがいくつかあります。
前後の天候

経験上、悪天候の後はこういうことが起こりがち。しばらく水遊びはしません。
・増水
・膝下でも水の勢いが激しい
・流木やゴミが流れこむ
・川の形状が大きく変わる
以前は岸に近い部分は浅かったのに、水の勢いで砂利が削られ、急に深くなっていることがあります。今回の川もそうでした。
数年前とは川の形状が大きく変化しており、見えない足元部分の砂利も相当変化しているかもしれないですね。
「前は足がついていたから大丈夫のはず」と思っても、足がつかなくなっていることもよくあるので気をつけて遊びましょう。
過信しない

夏場になると海や川の水難事故をよく耳にします。
昔、体験ダイビング中に“海面下の恐怖“を感じた経験あり。(完全に自分の不注意によるもの)
海面からたった数メートル。でも、キラキラ光る水面がはるか遠くに感じられ。いろいろスポーツをした中で、「命の危険」を感じたのは今のところコレのみ。
新しい水場を探すのは、私にとって夏の楽しみの一つです。
でも、水難事故のニュースを聞くたび、「人の目がある場所」を選ぶことが増えてきました。
また、なんとなく「ここは危険」と感じる場所には行きません。
預からない預けない

私の場合、水辺で遊ぶ際は友人に子供を預けません。なにかあった時、自分の子供の手を引っ張るか、友人の子供の手を引っ張るか。
みなさんならどうしますか?
私は両方の手を引っ張りたいのです。ですが、おそらく全員水の中。だから、預からないし預けない。
子供から目を離しっぱなしにせず、なにかあった時、“親自ら水に入って助ける心づもり“で水辺遊びをしています。
まとめ:川の生きもの

たくさんの水生生物が身を潜めている、川。
大雨の後だったので今回は少なめでしたが、川底にある石をめくればカニや虫の幼虫。
川岸の草をゆっくり揺すれば、隠れていた小魚やエビ。箱メガネで水中をのぞけば、泳ぐ魚たちが見られます。
梅雨が開ければ、あつーい夏が到来!
子供さんとの水遊び&夏の自由研究の観察がてら、『ガサガサ』してみませんか?
くれぐれもライフジャケット着用など安全に配慮しつつ、夏を楽しみましょう!



